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京都大学歴史研究会ブログ

京都大学歴史研究会のブログです。主に活動報告を行っていきます。

歴史について

先日歴研に来てくれた子が言っていたことが気になったのでそれについて。
一応事前に書いておきますが、私個人の意見で歴研全体の意見ではないですよ。

その来てくれた人が言っていたことを大雑把にいえば、過去の事態に現在の状況が似ているので、将来的にこういうことが起こるかもしれないと思うのですが、どういった本を読めばそういったことが書いてありますか?ということだったと思います。
伊坂幸太郎の『魔王』を読めばその人と同様の危機感がもてるかもしれません。
歴史は繰り返すと言いますし、歴史を学べば未来のことがわかる気がします。

ですが、ちょっと待ってください。

歴史は過去のことです。
ですので、すでに起こったことを分析し、こういったことが原因であったのではないかとは言えます。
ですが、それの未来への適用はほぼ不可能です。
なぜなら、分析する時には分析者の主義信条(つまりはイデオロギー)によって切りとられる断面が異なります。
世界には数多くのパラメータがあり、現実的に過去のことを再現しシミュレーションすることは現状不可能です。
その中で分析したい人間が大事だと思うパラメータをピックアップして語られるものが歴史になります。
ある側面からみたら歴史は繰り返していても、別の側面からみれば歴史は繰り返さないものなのです。
現在におけるパラメータが全て過去と一緒でない以上 (少なくともその社会に所属している個々の人は必ず変化しています。)、歴史的にこうなるから将来こうなるとは言えないわけです。
何かの可能性を提示することはできますが、ほぼ確実に歴史の中にはその反証もあります。

しばらく前に載せた歴史を学ぶ意義の一つはここに繋がると私は考えています。
誰かが歴史を武器にアジテーションしようとした時に、それは解釈の問題でこうも考えられるんですよ、と冷や水を浴びせることができるのは、歴史を知ろうとした人だけです。
運命決定論を持ち出そうと未来は今生きている人間だけのものです。
過去の偉人はそこに今から関与していくことはできないのです。

ついでにいうと、過去の人間の真実を知ることはできません。
よく言われる話ではありますが、一面的な人間は存在しませんし、気まぐれを全く起こさない人間もいません。
過去の人物を完璧に知ることは、現在の人物を完璧に知ることができない私達には不可能なことです。
「彰往考来」という言葉がありますが、私達は過去を彰(あきら)かにして未来を考えるのです。

最後に話が本筋から逸れましたので、最初の質問に関する私なりの回答を提示したいと思います。
「だいたいどんな本を読んでも読み方によって望む回答は得られます。そして、今の人がした成功や失敗についてはすぐにそれを分析した本が出ます。ですが、現状についてや今何かをしようとしている人間については、偏った本を読みたいのでなければ存在しません。現在に対する判断は同時代に生きる私達にしかできず、キチンと述べたいと思うのであれば主観的な意見の前に客観的なデータを集め、自分なりの意見を見出すしかないのです。」

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京都大学の歴史サークルです。毎週金曜18時30分から課外活動棟D204の部室で例会を行っています。例会では各会員の研究発表や本の輪読を行い、例会後には食事やゲームなどをして自由に過ごしています。たまに史跡や博物館にも行きます。日本史、世界史を問わず歴史が好きな人はもちろん、ゲームが好きな人、部室でダラダラしたい人など、どんな人でも大歓迎です。歴研の活動に興味のある方、参加したい方は、ぜひ一度課外活動棟D204の部室までお越しください。

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