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京都大学歴史研究会ブログ

京都大学歴史研究会のブログです。主に活動報告を行っていきます。

寺社にまつわる日本史 上御霊神社編

御無沙汰しております、littleです。
以前から執筆していた『戦国時代概説』が校了し、しばらく燃え尽きておりました。
現在例会で発表中ですので、興味のある方は是非足をお運びください。

今回は停滞していた「寺社にまつわる日本史」の第3回をお送りしようと思います。
取り上げるのは上御霊神社です。

上御霊神社


上御霊神社には以下の八柱が祭られています。

・崇道天皇(早良親王、光仁天皇の子)
・井上大皇后(光仁天皇の皇后)
・他戸親王(光仁天皇の子)
・藤原大夫人(藤原吉子)
・橘大夫(橘逸勢)
・文大夫(文屋宮田麿)
・火雷神(以上六所の荒魂)
・吉備大臣(吉備真備)

吉備真備を除き、いずれも政争に巻き込まれて憤死した人々です。橘逸勢や吉備真備らは非常に有名ですが、ここでは崇道天皇(早良親王)を取り上げようと思います。
早良親王は光仁天皇の子で、桓武天皇の弟です。784年、桓武天皇が長岡京に遷都した際、長岡京の造営を主導していた藤原種継(藤原百川の甥)が暗殺されるという事件が起こります。この事件の際に早良親王は藤原種継暗殺に関与したとして捕えられ、無実を訴えますが認められずに憤死してしまいます。その後、桓武天皇の母や皇后が相次いで死去するという不幸が起こり、早良親王の怨霊だと恐れられました。桓武天皇はそこから逃げるように、794年に平安京に遷都します。平安遷都にあたり、桓武天皇は794年に平安京の守り神として早良親王の御神霊を祀ったのが上御霊神社の興りです。この頃から非業の死を遂げた人の怨霊を鎮め、災いを取り除こうとする御霊信仰が明確な形になり始めました。
その後863年に疫病が流行したため、神泉苑で早良親王らを祀る行事が行われ、これが御霊会の始まりとなりました。この御霊会では庶民の参加も認められており、その後都市祭礼として定着していきます。

しかし、いつの時代にも神を恐れぬ所業を犯す輩は存在するもので、1467年に上御霊神社は戦場となります。すなわち、応仁の乱の幕開けとされる御霊合戦の舞台となったのです。
ここで干戈を交えたのは畠山義就と畠山政長でした。両者は畠山氏惣領の座を巡って対立し、そこに将軍家の後継者争いや、室町幕府における主導権争いが絡み合って一触即発の状況となっていました。1467年の正月18日、政長は上御霊神社に陣取り、そこに義就が攻め込んで合戦となり、義就方が勝利を収めます。この戦いは将軍足利義政の調停によって両畠山氏の「私闘」とみなされ、他の諸氏は手だししてはならないとされたため、この時点で大乱に発展することは避けられました。しかし、対立は修復できないほどに深まっており、上洛した守護大名らの激突は避けようがありませんでした。
以上のように、戦国時代においては神社といえども戦火から逃れることはできませんでした。本願寺や延暦寺、相国寺など戦場になったのは寺が多く、神社が戦場になった事例はあまり聞きませんが、全くなかったというわけではないことがわかります。

それにしたって、祀られている人々からすればいい迷惑です。戦国時代は小氷期にあたり、諸大名は「食うための戦争」を戦っていた、と言われることがありますが、そんな食糧事情の厳しいときにわざわざ神前で戦いをするなんて、祟りを為してくれと言わんばかり。まさか口減らし目的だったとか言わないでしょうね…… 絶対違うと思いますが。

以上、「寺社にまつわる日本史」第3回をお送りしました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

参考文献
・山川出版社『詳説日本史研究』五味文彦・高埜利彦・鳥海靖編
・吉川弘文館『日本神道史』岡田荘司編
・吉川弘文館『戦争の日本史9 応仁文明の乱』石田晴男著
・上御霊神社ホームページ http://www.kyoto-jinjacho.or.jp/shrine/02/004/
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テーマ:歴史 - ジャンル:学問・文化・芸術

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