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京都大学歴史研究会ブログ

京都大学歴史研究会のブログです。主に活動報告を行っていきます。

プロメテウス

最近カンピオーネというラノベを読んでいていろいろ思ったことがあったので書いてみようかと。

カンピオーネはイタリア語でチャンピオンという意味らしいのですが、これがエピメテウスの子どもとして書かれます。
エピメテウスはギリシャ神話の神様なのですが、普通は知らないかと思います。
奥さんは有名人でパンドラの箱のパンドラさんです。
あと、兄弟がいてこれがプロメテウスになります。

エピメテウスとプロメテウスはそれぞれ「あとに考えるもの」「先に考えるもの」の意で、 対と言える神様です。
主神であるゼウスよりも前の世代の神でギリシャ神話において人を作ったのがプロメテウスになります。
またプロメテウスは人に火を与えるために太陽から火を盗み人に与えたとされています。(その結果罰が与えられヘラクレスが開放するまで責め苦を受けることになります。)
その一方でエピメテウスに関するエピソードはほとんど無いように思います。
最大のエピソードがパンドラとの婚姻ではないかと思えるほどです。

昔は先に考えるプロメテウスがより優秀なように思えたのですが、最近は少し考え方が変わりました。
プロメテウスは確かに人を作り、火を与え、肉を与えましたが、一方で盗み騙し罰を与えられるトリックスターです。
役割的には北欧神話のロキや日本神話のスサノオにあたります。
一方でエピメテウスは大きなエピソードはあまりないですが、地上に女性をもたらしました。(神や精霊ではない女性はパンドラが初めてです。)
プロメテウスは人間の発展、つまりは、自分の能力の結果を価値の中心に置いたとみると、エピメテウスは神にも人にも受け入れられ周囲との調和を価値の中心としたとみることもできるのではないかと思います。

あとから物事を考える愚直さは時にとても大事なものらしいです。
余計なことを考えず黙々と何かに打ち込む生き方や、鷹揚に周囲の全てを受け入れる生き方もエピメテウス的と言えるのではないかと思います。
しかし私にはそういった生き方をすることは難しいです。
色々なことを事前に考え準備をして自分を中心とした価値観でしか生きられないでしょう。
だからこそ、プロメテウスに与えられた罰を思って時に周囲に目を配って生きなくてはならないのではと思います。

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